「はあ、キモいんだけど! こんなこと正面から言ってくれるの何か私しかいないんだから感謝して欲しいくらいだわ」
東雲氷菓は、真島伊織が小学校六年生の時に転校してきた時からの幼馴染だ。
家が隣で、一緒に登下校し、お互いの家でよく遊んだ。しかし、中学のある時期からその態度は豹変することになる。
甘々だった氷菓は、名前の通り氷の女となり、顔が合えば罵倒紛いの言葉を投げかけてくる始末。
彼女は幼馴染というカテゴリーから、幼馴染だった、という存在へとシフトチェンジしていた。
そして高校二年生の春。しばらく距離があった二人だが、とうとう伊織は氷菓と同じクラスになる。
陰キャでボッチな伊織が、更に氷菓と言う氷の女まで相手にするとなると、今まで以上に疲弊すること必至。
何事も出来れば省エネで、平穏に乗り切りたい伊織にとって、氷菓の存在はまさに百害あって一利なしだ。
だが、そんなある日、伊織の元にもう一人の幼馴染――雨夜陽が転校してくる。
しかも、小学校の時のノリで激しいボディタッチと、まるで大親友だったかのようなフレンドリーさ。
二年になっても相変わらずボッチの伊織にとって、高校で初めて出来た友達のようで、満更でもなかった。
平穏が一番だが、これからこいつと楽しく高校生活を送るのも悪くないかな……と思った矢先、あのツンツンだった氷菓が、急にツンデレへと変貌した!!
一体何があったのだろうか……。
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