【一言で分かるあらすじ】
『ハッキング』という固有チートを持った主人公がギルドを追い出され
新たなギルドにスカウトされ認められていくお話です♪
【ちゃんとしたあらすじ】
「このギルドに無駄飯ぐらいはもういらないんだよ、ライン」
最強と名高いSSSランクギルド『ハック&スラッシュ』の本部で、俺はギルマスにそう言われた。
無駄飯ぐらい、か。
じゃあ無駄だと知りながら反論してみる。
「この前のダンジョンで突然ミノタウルスに襲われたよな」
「ああ、そうだった。あの時は驚いたよ。でもあのミノタウルスは目が悪かった。すかさずハンターのナルコが盲目矢を放ったんだよね」
……違う。本当は俺のチートスキル『ハッキング』で既に盲目にしていたんだ。
「ジョッシュ、デッドプラントに捕まったときのことを覚えているか?」
「ん、ああ。もうちょっとで食われそうになったな。覚えてるぜ、あのぬめぬめ」
「じゃあなんでデッドプラントは苦しみだしたんだ? 毒状態になっていたよな」
「あれは呪術師マームがやったんだろ? さすが毒のスペシャリストだぜ」
コイツもダメ。そもそもデッドプラントは毒にならない。
おれがハッキングしてムリヤリ毒にしたのだ。
「本っっっっっ当、いつも立ってるだけだよね。でもなぜか攻撃は当たらないってことは認めるわ。役には立たないけど」
と言ったのはヒーラーのレナ。
俺はいつも自分も味方にも当たりそうな攻撃もハッキングして軌道を逸らしたり弱めたりしている。
つまり、俺の能力に一番恩恵を受けている。
俺のチート【ハッキング】で危機を救ってやってんのにギルメン百二十名、誰もその事に気づかない。
曰く、ただ突っ立てるだけ
曰く、右手上げて何してんの?
曰く、運がいいだけ
俺が反論しても誰も取り合わない。
そうして俺は『ハック&スラッシュ』を追い出された。
再就職先を探しに行ったところ同じくSSSランクギルドで『ハック&スラッシュ』と双璧をなす『天駆ける天馬の手綱』にスカウトされる。
そこのギルドメンバーはすぐに俺の凄さに気が付き、認めて、持ち上げてくれた。
おまけに聖女も付いてきて、エルフのメイドもゲットする。
え? 『ハック&スラッシュ』が急に落ちぶれた? 俺のおかげって今さら認めるの?
戻ってこい? 知らないよ、努力すれば♪
レビュー