巻き戻っている悪役令嬢と、巻き戻っていることに気づいた王子の話

【2020年12月28日、総合日間短編小説ランキング1位、獲得!ありがとうございます! 今日は奮発してカレー食べます!!】

「エレーナ・フォン・リヴレ! 君との婚約を破棄する!」

学園の卒業パーティの日。コンラッド王子がそう告げた途端、エレーナはやおら自らの喉に短剣を突き立てて自害する。仰天するコンラッド王子の目の前で、今まさに息絶えようとしているエレーナが言葉を紡いだ。「待っていて」と。

その瞬間、コンラッド王子は自室のベッドの中で目覚める。慌てる王子は学園内を走るうち、無傷で不思議そうにしているエレーナと出会う。慌てて問い詰めると、エレーナは卒業パーティは三日後で、自分はどこも怪我をした覚えはないという。

何かがおかしい、彼女は確かに死んだはず――。

わけがわからず困惑するコンラッド王子は、やがて自分の時間があの運命の卒業パーティの日から三日間だけ、巻き戻っていることに気づく。

時間が巻き戻っていることに気づいた王子と、何とか彼を救おうと足掻く悪役令嬢の話。

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