北海帝国貴族の子弟のひとりであるヴィクターはかつて世界を恐怖によって支配した魔法帝国皇帝ネロの転生した存在だった。
彼はネロの転生体であることを隠すために貴族の子弟たちの集まる学院では無能を演じていた。そんな彼に声をかけ、励ましてくれたのは聖女であるジュリエットであった。
皇太子と婚約していたジュリエットに恋心を抱くも、彼女のために引いたヴィクター。だが、皇太子は同盟のために他国の姫を皇太子妃として迎えることになり、ジュリエットは濡れ衣を着せられて処刑される。
そのことに激怒したヴィクターは彼女の死体を奪い、黒魔術によって彼女を吸血鬼として蘇生させる。そして、彼女と誓った。皇太子と帝国に復讐することを。
これは最悪の暴君を敵に回した国家がゆっくりと崩壊していく物語であり、暴君と吸血鬼聖女の愛の物語である。
レビュー