悪役令嬢の愚痴はとどまるところを知らない

「神様、私はタヌキの理解力の低さに絶望してしまいました。あなたは何故私をタヌキ語が喋れない身体に生まれさせましたか……」

『令嬢の湯』――それは東方の辺境の街に存在する人気スポットである。

そこの湯守の令嬢ダニエラは、昔は王都の有力貴族の令嬢。だが婚約者である王子に一方的に婚約を破棄された挙げ句、でっちあげの罪を着せられて王都を追放された過去があった。

その温泉の常連客である引退勇者「タヌキ」はある日、美しい怪物討伐師の娘・シェヘラと出会う。「勇者を知らないか」――そう言って辺境の街を嗅ぎ回るシェヘラに、ダニエラは壊滅した魔王軍の刺客ではないかと危機感を抱く。一方、心配されている方のタヌキは危機感ゼロでシェヘラに近づいていくが、シェヘラにはある秘密があった――。

前回、妙に好評だった『されど悪役令嬢はタヌキに愚痴る』の連作2作品目となります。
前作を踏まえた展開がありますのでよろしくお願いいたします。

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