水の都の聖獣使い〜売り飛ばされた聖女は砂漠の国で幸せを掴む〜

 エウレス皇国皇太子【ラファエル=フォン=エウレス】の婚約者【リリア】。

 リリアは婚約者のラファエルから酷い仕打ちを受けていた。
 殴られた頬に手を当てるだけで「何のアピールだ!」とまた殴るようなラファエル。

「雨を呼ぶ聖獣使いなどと大それた名前を持って私のもとに嫁いできたかと思えば、本当に何の役にも立たないグズだったが、ようやく役に立った。カサラス王国の王子がお前を迎え入れると正式に打診があった。国の財宝の三分の一を渡すと言ってきよった」

 リリアは王宮を追い出されるが、王宮の外に待っていたのは……。

 見たこともないほどの装飾を携えた綺羅びやかな馬車と、燕尾服の使用人。そして馬車の中には……。

「はじめまして、リリア。私はカルム=ヴィル=カサラス。カサラス王国の第一王子です」

 褐色の肌に優しい瞳。
 この国の人間に比べればかなり痩せて見えるが、それでもなお力強さを感じるような眼力を持った王子。

「リリアは私にとって大切な妻になるお方だ。初対面で嫌われたらと思うと緊張して鼓動が激しくなったほどだ。触ってみるかい?」
「め、滅相もございません」

 リリアにとって初めてだったのだ。
人としてまっとうに扱われることも、女としての扱いを受けることも。

「よろしく頼む。リリア」
「はい……」

 これが水の聖女リリアの、幸せな生活の始まりだった。

※本作品は共著となっています
プロット担当 すかいふぁーむ
執筆担当 よどら文鳥

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