闇に溺れて、秘密のキスを。

いつも自分の席で本を読んでいる彼。
その姿は絵になるほど。
染めたことのないであろう黒髪に
メガネをかけ、制服もきちんと着こなしている。
どうみても真面目な彼は
誰もが目を惹くほどに綺麗でかっこいい。
ただひとつ
耳たぶにつけてあるピアスだけが───
彼の危険さを表していた。
だから誰も、気づくはずがない。
「これは、秘密だよ」
彼の鎖骨の下から胸元にかけて入れてある和彫りになんて、誰も。
「全部、君が初めて。
こんなにも俺をかき乱すのも」
驚くほど優しい彼が
ゆっくりと私の心を溶かしていく。
甘くとろける、誰にも言えない秘密の放課後。
「関わったからにはもう
逃げられると思わないでね」
メガネを外すと危険な彼が、私を誘う。
これは深い闇への誘い。
その選択に、“拒否”という言葉はない。
白野 未央(しろの みお)
×××
神田 拓哉(かんだ たくや)
「俺から離れない限り、命の危険はないよ」
闇に手を伸ばし、飛び込めば
もう戻れない場所が、そこにはあった───
「君は俺を狂わせるのが好きなんだね」

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