ぜんぶ、しらないふり。

高校2年生、春。
「勝手に騙されてたのはそっちだろ?」
学年一の爽やかイケメンの
裏の顔を知ってしまいました。
◇◇◇
爽やかイケメン 兼 腹黒クズ
片岡 八樹(かたおか やつき)
×
クール美少女 兼 寂しがり屋
涼風 佳都(すずかぜ けいと)
◇◇◇
片岡八樹くんの表の顔は
爽やか王子系イケメン。
レディーファーストで、
周りをよく見ていて、
優しくて、
何より顔が神。
ーー…って、みんなはそう認識してるけど。
そんな彼の裏の顔は、
「涼風さんも俺と遊ぶ?」
「絶対無理」
「愛とかどうでもいいよ。俺が楽しければ」
「わぁ、最低」
「俺のこと好きにならないでね。冷めるから」
「絶対無いから安心して」
猫かぶりまくり、腹黒、クズ。
「だれにもいうなよ」
「別に片岡くんの裏表なんて興味無いし言わないよ」
「涼風さんって冷めてる」
「よく言われる」
片岡くんのひみつが何であれ私には関係ない。
必要以上に関わらない。
私と彼は ただのクラスメイト。
​──の、はずだったのに。
「俺ら、一緒に住むらしいよ」
「なんで?」
「決まったことだから」
「なんで?」
「うっぜー……、」
そんな彼とひとつ屋根の下なんて、
かみさま、
一体どんな仕打ちですか?
「離して…!」
「無理」
「なんで!」
「俺がまだ涼風さんとくっついていたいから」
「ダメ、俺のこと考えて」
「…やだ」
「ツンデレは嫌いじゃない」
「っうるさい!」
「……全然、キャラ違うじゃん」
「お互い様じゃねーの?」
‘全然キャラじゃない’片岡くんに溺れてしまう
‘全然キャラじゃない’自分には、
ぜんぶ、しらないふりをしちゃえばいい。
「ーー好きって言ったら、どうする?」
ぜんぶ、しらないふり。
2020.7.31. start
2020.8.24. end
あらすじ
きみのこと、全然、好きじゃない。
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