どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました

著者:小倉みち

 7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
 前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
 唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
 そして――。
 この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
 この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
 しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
 それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
 しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
 レティシアは考えた。
 どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
 ――ということは。
 これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
 私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。

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