無愛想な主と美貌のメイド～成り行きで恋人役を引き受けたら、無愛想な侯爵様の溺愛が始まりました！？～

ライスター王国に住まう十九歳のイルゼは名門侯爵家フューゲル家のメイドの一人。
二年前に女手一つで育ててくれた母が病に倒れたことにより、イルゼは給金のいいメイド業を始めた。今では先代の侯爵夫妻にも気に入られており、面倒見のいい同僚や先輩たちと共に仕事に精を出していた。
だが、そんなイルゼにも一つだけ悩みがあった。それは――現当主セドリックがイルゼのことを嫌っているということ。セドリックはイルゼと話す際、とても不機嫌になるのだ。好かれたいとは思わない。でも、嫌われるのだけは勘弁してほしい。そう思っていた中、セドリックは王国の第三王女ユリアーナから婚約打診を受ける。が、セドリックは何を思ったのか「自分には相思相愛の恋人がいる」という嘘を告げて――。
しかも、セドリックはその恋人役をイルゼに頼んでくる。嫌っている自分に、どうしてこんな役を回すの？　そんなことを考え、怪訝に思うイルゼを他所にセドリックはまるで本物の恋人のようにイルゼのことを扱ってくる。そして知ったのは――セドリックが、本当はイルゼのことを好いているということだった。
甘やかされて、愛されて。イルゼは徐々にセドリックの気持ちが本物なのだと悟るが……ライバルは王国の王女様。絶対に、勝てるわけがない。だから、この気持ちが本物になる前に逃亡しよう。そう決めたのに、セドリックはイルゼのことを逃がしてくれなくて――。
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※魔法のiらんど、エブリスタ、小説家になろうにも掲載中。
※作者の性癖『主×メイド』をシリーズ化しちゃおう！という欲望から始まったシリーズの第１弾です。