【4章開始】「魔力支援役なぞいらん!」と勇者に追放されたけど…パーティの魔力は全て僕が供給してたんだよ?魔力不足で聖剣が使えない?もう遅い。メンバー全員が勇者を見限ったので◆《魔力無限》のマナポーター

著者:アトハ

「我がパーティに魔力支援しかできない無能は不要! よって貴様を追放処分とする!!」

 僕――イシュアは、そんな理不尽な理由で追放された。
 世界の希望を背負って立つはずの勇者によって。

 マナポーターとは魔力不足のパーティに、魔力を供給するパーティのかなめとも言える重要なジョブである。

「僕がいないと、すぐにこのパーティは魔力不足でまともに戦えなくなります。考え直すべきです」
「黙れ! 落ちこぼれの分際で口答えをするな!!」

 そうして追放された僕であったが――

「待ってください! イシュア先輩!」

 追いかけてきたのは、なんと勇者パーティの聖女・アリアであった。
 彼女は冒険者育成学校に通っていたときの後輩である。

「先輩に見捨てられたかと、すごい後悔してました」
「勇者パーティはどう考えても、先輩のおかげで辛うじて持っていたようなもんじゃないですか!」

 アリアは涙ながらに訴えかける。
 勇者はあろうことか、パーティメンバーに黙って僕のことを追放したらしい。

「私、先輩に付いていきます!」
「あんなリーダーに付いて行っても未来はありませんから」

 アリアはきっぱりと言い切り、僕と旅を続けることの望むと明言。
 こうして聖女様との旅が始まったのだった。

 一方、勇者パーティには修羅場が訪れていた。

 勝手にイシュアを追放した勇者は、メンバー全員に責め立てられていた。
 イシュアがパーティを支える重要人物であることを、勇者以外はみんな理解していたのだ。
 それでも勇者の権力を笠に着て、強引にAランクパーティーの攻略を進めようとする。
 しかしメンバーが2人抜けて、すぐに魔力が枯渇する勇者パーティにそれは叶わない。

 ――勇者パーティには、どこまでも暗雲が立ち込めているのだった。

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