魔女が捨て子を育てた結果 ~10年後、うちの下僕が人類最強になり過ぎまして…「申し訳ございません、主。エンペラー・ドラゴンを倒すのに10分も手こずってしまいました」「あっはい」~

著者:KK

 魔女のメリィがある日、森の中で出会ったのは瀕死の少年だった。
 口減らしのため捨てられたという少年へ、メリィは問い掛ける。
「このまま野垂れ死ぬか、魔女の奴隷として一生を過ごすか、どっちがいい? もし、下僕になる気があるなら助けてあげる。その代わり、逃げ出したり逆らったりしたり、私の機嫌によっては酷い目に合わせちゃうかもしれない。場合によっては、ここで死んだ方が幸せかもしれないけど、どうする?」
「……魔女様の……下僕にしてください」
 少年はメリィを守れるほど強くなると誓い、彼女の契約を受け入れた。
 あくまでも気紛れ、あくまでも暇潰し。
 ……少年の口にした「家族」というものに、少し憧れがあったからだとか、そんなんじゃない。
 数百年の時を生きる孤独な魔女メリィは、こうして人間の使い魔を手に入れたのだった――。
 ――そして、10年後。
「申し訳ございません、主。エンペラー・ドラゴンを倒すのに10分も手こずってしましました。伝説の魔女の下僕として情けない」
「あっはい」
 ……その下僕、ちょっと意味が分からないくらい強くなってしまいました。

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