不採用の隻眼隻腕剣士、無双する。~ハンデを理由にパーティー入りを拒絶された男が、実は世界最強だったというよくある話。才能のある少女を育てながら、辺境暮らしを満喫します~

著者:あざね

「片腕と片目しか利かない剣士なんて、使い物にならねぇよ」

 ダリス・アークライトは、冒険者ギルドで何度もパーティー入りを断られていた。
 その理由というのも、彼の抱えるハンデにある。ダリスは過去の戦闘において、左の腕と眼を失っていた。そのため、どのパーティーに声をかけても門前払いを喰らう。

 それでも、ダリスは挫けることはない。
 一人、冒険者として生計を立てるために無謀にもダンジョンの奥へと向かうのだった。

「誰か、助けてください……!?」

 その折に、青年は一人の少女と出会う。
 その女の子――ターニャもまた、パーティーに入ることのできなかった者であった。そんな彼女を追って現れたのは、身の丈十メイルはあろうかという巨大ドラゴン。
 死を覚悟するターニャであったが、ダリスは静かにこう言った。

「この程度、大したことはない」――と。

 その言葉の通り。
 彼は剣を引き抜いたかと思えば、一瞬でドラゴンを両断してみせるのだった。

 しばらくして、辺境の街――シルディで、ダリスのことを知らない者はいなくなる。
 隻眼隻腕の最強剣士がそこにいる、と。しかし、彼は言うのだ。

「俺よりも、ターニャの方が才能に恵まれている」

 これはかつて世界最強と謳われた剣士が、才能ある少女を育てながら周囲の度肝を抜いていく。
 そんな、よくある物語である。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー