【第一部完結】ポーション工場へと左遷された俺、スパイに拉致され砂漠エルフのお抱え錬金術師となる ~お前が消えたせいで工場が破綻寸前と言われても、大事業と美人姉妹が離してくれません~

宮廷魔術師のユリウスは、平然と転移魔法を連発する天才中の天才だった。
しかし戦争で濡れ衣を着せられて以来、現在はポーション工場の仕込みを手伝わされている。

そんな彼を、とあるエルフの姉妹が拉致したことで物語が動き出す。

「ククク……残念だったな、俺は錬金術師じゃない。ただの超エリート魔術師だ!」
「別に間違えてない……。これで、あの国のポーションは、ジ・エンド……」

彼女たちは言う。この国のポーションはユリウスあっての品質で、それを失った今や終わり。ユリウスこそが最も優れた錬金術師。だから拉致した。
どうかお願い、私たちを助けて、と。

かくして、砂漠の国シャンバラでの新生活が始まった。
エルフの長が嫁をくれると言うので、断り文句で選んだはずの、姉妹たちと共に。

仕込みの経験しかないというのに、ユリウスが作ったポーションはなんと試作早々に、完全回復薬エリクサーとなった。
その一方で母国では、ポーションが急激に劣化し、彼を冷遇した者たちにピンチが訪れようとしていた。

国への忠誠心は尽き果てた。オアシスと嫁が眩しくて、帰る気なんてもう起きない。

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