機械仕掛けの殲滅少女 ~パーティーや幼馴染の恋人に『役立たず』と罵られ追放された僕は、不遇職[技術者(エンジニア)]の力で絶望する伯爵令嬢を最強の『死神』に作り変える~

著者:サンボン

 都市アイザック最強のパーティー『黄金の旋風』に所属する“アデル”は、突然、リーダーである“エリアル”に追放を言い渡される。

 それは、エリアルだけでなく、幼馴染で恋人の“カルラ”を含めた全員の総意であると。
 到底納得できず、理由を尋ねるアデルだが、そんなカルラから返ってきたのは無情な答え。

『私達は、ガラクタや“役立たず”なんていらないの』

 そう……アデルの職業[技術者(エンジニア)]は、一般的な大量生産品しか作れないような全く使い物にならない能力だった。

 失意のままギルドに戻ったアデルは、受付嬢から一枚の依頼紙を手渡される。
 その内容は、腕の良い職人を探しているというもので、依頼主は、領主である“カートレット伯爵家”。

 不審に思うも、興味が湧いたアデルは依頼主のいる領主邸へと向かう。
 侍女の“ハンナ”に案内され、出逢ったのは……車椅子に座り、両腕と両脚をもがれ、唯一残った右眼で虚空を見つめる一人の少女——“ライラ=カートレット”伯爵令嬢だった。

「殺したい……お父様とお母様を殺したアイツ等を。私を穢して、壊して、こんな姿にしたアイツ等を。アイツ等に関わる、全てのニンゲンを!」

 困惑するアデル。だが、そんな少女の魂の叫びを聞き、

「……僕が、あなたの望み……叶えてみせます」

 アデルは自分の職業[技術者]の力で、誰にも手折ることができない最高で、そして最強の翼を【製作】しようと決意する。

 ——たとえそれが、自分の命を引き換えにするものであったとしても。

 これは、翼をもがれ、絶望と憎悪に苦しむ少女と、そんな彼女を救おうともがく『役立たず』と呼ばれた男の、復讐の物語。

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