裏庭ダンジョンで年収120億円

著者:三上康明

 10年前の隕石の急接近後、まさに「降って湧いた」ようにできたダンジョン。
 そこで採掘される魔結晶は、世界のエネルギー事情を一変させた。

 電気料金は安くなって、二酸化炭素も出さないからエコ。

 魔結晶を採掘する人々は「マイナー」と呼ばれ、高濃度魔結晶はとんでもなく高い値段で買われることから、一攫千金を夢見るマイナーでダンジョンはにぎわった。
 中には「異能」なんてものに目覚める人まで出てきたが、それはダンジョンの中でしか使えないので、世界は平和に、そして豊かになった。

 そう、あれから10年も経ったのだ。

「すげえ世の中だよな……」

 俺が買った、何年も使われていなかった中古の一軒家の裏庭に、ひっそりとたたずんでいたダンジョン。

「全部換金したら、一体いくらになるんだよ……」

 そこにあったのは、手つかずの高濃度魔結晶の山だったのだ。
 これは俺が、「裏庭ダンジョン」にある魔結晶を、いかにしてひっそりと誰にもバレずに目立たず売りさばくかという物語。
 目標は「年収120億円」。
 そんな、バカみたいな、だけど切実な目標のおかげで――俺はどん底から立ち直ることができたのだ。

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