「マリエル、すまないが君との婚約を破棄したいんだ」
キルシュ王国第一王子であるフェリクスはバツの悪そうな顔をして、自分の婚約者であるブロッサ公爵家令嬢へ婚約破棄を言い渡した。
今日は学園の卒業パーティーであり、祝いの席にはあまりにも似つかわしくない不躾な申し出だ。
彼の後ろには学園の人気者で愛らしい男爵令嬢のジゼルが顔を覗かせている。
フェリクスが本気なのだと悟ったマリエルは、困り果ててしまうのだが、そこへひとりの令息が助けに入った。
「フェリクス、その話は本当かい? ならマリエルを僕の婚約者として迎えてもいいだろうか?」
と言って、この騒動を穏便(?)に収める案を提示してくれた。
そして、
「マリエル、賢くいこうよ。目の前の二人に付き合う必要なんてないさ」
と言って、今や冷静さを保つのも限界となったマリエルを優しく懐柔してくるのだった。
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