「もしもし、あたし、メリーさん。
今、あなたの後ろにい――」
「俺の後ろに立つな」
「!?(い、いつの間に後ろに……!?)」
メリーさんは、悪霊である。
メリーさんの目的は、人間を怖がらせることだ。彼女は、『今、あなたの後ろにいるの』と最後にささやくことで、人々を恐怖の底に落とす。
落とす筈だったのだが――
「今、あなたの後ろにい――」
「俺の後ろに立つな」
「!?(コ、コイツ……は、速すぎる……!?)」
とある殺し屋は、絶対に、自分の後ろをとらせてくれなかった。
コレは、悪霊としてのプライドのために、絶対に後ろをとりたいメリーさんと、絶対に後ろをとられたくない殺し屋の死闘を描いた物語である。
レビュー