捨てられたお飾りの妻は、二人で人生をやり直すことにしました

著者:一ノ谷鈴

 男爵の妻キャサリンは今年で二十歳。しかし彼女の結婚は政略結婚でしかなく、そこに愛はひとかけらもなかった。彼女はずっと屋敷の離れに押し込められ、一人きりで暮らしていた。
 夫である男爵は彼女をかえりみないばかりか、彼女を虐げ、暴言を浴びせ続けていた。彼の非道な仕打ちに疲れ果て、日に日にやつれていくキャサリン。
 彼女が希望のない空しい生活を送っていたある日、彼女は偶然一人の騎士と出会った。しかしそのせいで、彼女は離縁されることになってしまう。一人ぼっちで放り出された彼女に声をかけてきたのは、なんと先日出会った騎士その人だった。そしてその騎士もまた、主君のもとを追い出されてしまったのだという。
 離縁されたキャサリンと追放された騎士。帰る場所のない二人は、人生をやり直すために共に新天地への旅へ出る。

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