嫁き遅れだと追放された聖女ですが、拾い主の伯爵様に全力で甘やかされています

著者:榛名丼

「イヴリン、お前はもう不要だ。即刻この国から出て行け」

聖女イヴリンはある日、唐突にそう告げられた。
五歳の頃から神殿にて、国のための祈りを捧げ続けてきたイヴリンは現在二十八歳。
そんなイヴリンを、元婚約者である第一王子・アレックスと妹のメアリは嘲笑う。

「魔力が弱まったあげく、嫁き遅れるとは……何とも哀れな女だ」

(嫁き遅れって……それ、昨年あなたが私との婚約を破棄して、妹と婚約したせいですよね?)

神殿からも実家からも突き放され、その身一つで追放されてしまったイヴリン。唯一残っているのは弱まった魔力だけだった。
意外と逞しく、治癒魔法を駆使してその日暮らしするイヴリンだが、とある男性との出逢いが彼女の人生を塗り替えていく。

「あなたが嫁き遅れてくれて良かった。……そのおかげでこうして会えたんだから」

(――その言い方は、卑怯です!)

甘々な年下伯爵に蕩かされつつ、国民に慕われつつ、今日も元聖女はせっせと治癒魔法を使う。
……ちなみに私の魔力って、本当に弱まってるのかなぁと疑問に思いながら。

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