さあ、ここにサインをして下さい。契約は無事に遂行しましたので・・・

一人娘が新婚旅行に出かけた後、夫婦は居間でソファーに座ってお茶を飲んだ。
 公爵である夫は妻に労いの言葉をかけ、初めて感謝の意を示した。娘は亡くなった前公爵夫妻の娘で、夫の姪だった。
 彼は姪を溺愛し、彼女の為に最適な母親になれる女性として、婚約者のいた借金まみれの没落貴族貴族の一人娘を妻とした。しかも彼女の両親を騙して。
 妻は十八歳から、若い女性として貴重な八年をただただ母親として過してきた。しかも、自分の子を産むことも出来ずに。彼女は淡々と任務遂行の為に努力した。契約を無事に終了した後の未来を夢見て。

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