千年前、敵軍の手から民衆を守るため勇猛に戦い、壮烈な戦死を遂げた下級騎士クラウスは戦乙女の手によって天界へと招かれ、神々の黄昏(ラグナロク)に備える英雄の一人として日々戦闘訓練に明け暮れていた。
だが、そんな日々は唐突に終わりを告げる。
「クラウス・アーデル! 貴様を天界から追放する!」
天界の主たる大神は、神々の黄昏(ラグナロク)に向けて英雄達の危機感を煽るためにクラウスを見せしめとすることを画策。一方的な成績評価を行った上、クラウスを実力不足の無能と罵り、地上へと追放してしまう。
自分の死から千年後の地上で途方に暮れるクラウスの前に現れたのは、彼を天界へと招いた戦乙女ジークリンデだった。彼女はクラウスの追放に反対したことで、自らも追放されてしまったのだ。クラウスは彼の身を案じたジークリンデに感謝し、行く当てのない彼女と行動を共にする。
生前とは大きく異なる地上の様子に戸惑うクラウスだったが、自身の身にも異変が起こる。使えないはずの魔術が使えるようになり、天界にいた頃とは比べ物にならない剣技の冴えを見せたのだ。
その原因は、『黄泉帰り』を条件に発動するスキル【能力無限習得】の効果であった。
さらに判明したのは意外な事実。
なんと地上ではクラウスの戦いぶりが伝説となり、『騎士道の祖』とされ大いに敬われていたのだ。
同僚の英雄達をも超越する絶大な力を得たクラウスは、彼にまつわる伝説を現実へと塗り変える活躍を続け、最強の英雄としての道を歩み始める。
一方その頃天界では、同僚の英雄達が大神の行いに憤り、反抗の狼煙を上げようとしていた。
これは、地上で新たな英雄が生まれ、天界に新たな秩序が打ち立てられる物語。
※「カクヨム」様にも投稿しています。
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