逃げるは恥だが楽になる

著者:たなか

「今日この場で王太子アランの名において、公爵令嬢イザベラとの婚約を……おい、待て! イザベラ! どこへ行くんだ!」

 私は、彼の言葉を最後まで聞くことができず、制止を振り切り、パーティー会場を走って逃げだしてしまいました。何度か躓いて転びそうになりながらも、学園の廊下を駆け抜けていきます。すれ違う生徒達は、皆一様に目を丸くして驚いています。

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