【四章開幕】超越の魔術師《エクストラ・ワン》 〜『強化魔術しか使えない無能』と勇者パーティを追放された付与魔術師は、究極の強化魔術で己を強化し、やがて超越へ至る〜

著者:シオン

「追放、クビ、解雇――まあ言い方はなんだっていいや。とりあえず、もうこの勇者パーティにおまえは必要ない」

付与魔術師のアルマは、強化魔術しか扱えない。しかし、天才的な資質とたゆまぬ努力の末、若くして究極の強化魔術《天鎧強化》を習得し、弱小勇者パーティを影で支え続けていた。だが勇者へリィンは、そんなアルマを「強化魔術しか使えない無能」と称してパーティを追放してしまう。

途方に暮れたアルマは、そんな折に運命的な出会いを果たす。一つの事柄を極め、星に認められた最強の存在にのみ与えられる称号――〝超越せし者《エクストラ・ワン》〟を冠す大漢ディゼル。彼の元で修行を積み、アルマは本当の付与魔術の使い方を知る。

「味方ではなく、己の肉体のみを強化するッ……!! それこそが真の付与魔術師というものよッ!!」

それから一年――究極の強化魔術に耐え得る肉体を身につけたアルマは、師匠を越える偉業を成し遂げるため地上に帰還した。
伝説の男の元で鍛えられた埒外の天才付与魔術師は、瞬く間にその名を世界に轟かせていく――。

一方、アルマを追放した勇者パーティはこれまで難なく踏破してきたダンジョンに悪戦苦闘し、雇った付与魔術師にも逃げられ、偽勇者として悪名を轟かせ没落していく。

これは、やがて超越せし者《エクストラ・ワン》へ至る魔術師の英雄譚。

*最終ざまあ展開は《第十七部:012 勇者、咆える》で行われます。本格没落展開は《第九部》からはじまります。
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