工学部に通う幸田奏介は、ある日いつもは無縁のリア充達に声をかけられた。彼らの目的は学生起業で、エンジニアを探しているらしい。技術力を誉められ気を良くした奏介は、彼らのゆるふわ構想を何とか立派なサービスに実装してのけた。
ところが、サービスがすっかり軌道に乗った頃。奏介は約束の共同代表に、自分の名前がないことに気が付いた。だがそれを問いただした結果、追放されたのは奏介だった。経営に無頓着なことを逆手に取られたのだ。
もう季節は4年の秋。就活も院進も手遅れだ。経歴に空白を作らないためには、わざと留年するしかない。絶望する奏介に、同じ研究室の女子が言った。
「私が内定出た企業、受けてみない?」
一方その頃。奏介を追い出したベンチャーは、補償問題で炎上していた──。
※1日1話、4日で完結予定です。
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