緋色の悪役令嬢は呂色の薔薇を染め上げる

著者:葉椀メギ

サラントナ王国には誰もの目を奪う、それはそれは美しい令嬢がいた。その名もスカーレット・マルコーニ。公爵家の令嬢で18歳。胸元まで伸びる緋色の髪にアンバーの瞳をもつ少女だ。

美しき令嬢であるスカーレットは現在、卒業パーティーの会場で婚約者であるサラントナ王国の第一王子、アイル・トーン・サラントナを真っ直ぐと見据えていた。

「スカーレット・マルコーニ!貴様との婚約を今、この時をもって破棄させてもらう!」

長年通っていた学園の卒業パーティーでアイル王子は高らかに宣言した。スカーレットには、アイル王子が"最も信頼している令嬢"のラベンダー・ブルーリアを迫害した罪があるらしい。

多くの人々の軽蔑の眼差し、愛していたはずの婚約者からの突然の糾弾に世の令嬢であれば、卒倒していてもおかしくないところである。

…しかし美しき令嬢、スカーレット・マルコーニの心内は全くもって違っていた。

(この時を…ずっと、待っていたわ)

そう、これはすべて彼女が仕組んでいたことだったのである。

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