社会人二年目の橘薫には密かな日課があった。
それは通勤途中の家に飼われている犬に挨拶をする事。
社会人一日目の初出勤に、桜が降りしきる庭の犬小屋を見つけ、ほのかな幸せを感じた彼女は、毎日、犬に手を振っていた。
犬も尻尾を振り返してくれる微笑ましい日々。
しかし、それは、ある日にいきなり瓦解する。
桜の庭から犬が消え、その家の子供らしい少女が泣き叫んでいた。
犬が保健所に持ち込まれてしまったのだ。
どうする? どうしたら良い?
壊された日常を取り戻すため、薫は駆け出した。
必死な薫と、悲惨な犬の邂逅。
長閑な日常は取り戻せるのか?
お犬様と人間の織り成す悲喜交々。どうぞ、御笑覧あれ♪
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