愛し子は、森に捨てた。

著者:三條 凛花

「愛し子を森に捨てたから、妖精たちが怒っているのだ」

妖精の森を抱くルスリエース王国では、深刻な事態に皆が頭を悩ませ、そのような噂がまことしやかに流れつつあった。

森を彩る実が消え、森に入って行方知れずになる者が続出した。なにより、一年を通してからりと晴れの日が続く温暖な気候の国であるのに、雨がやまない。

--遡ること二年前。

公爵令嬢であったフラヴィアの目は、怒りに燃えていた。

王太子に婚約を破棄され、その上森の奥地に身一つで放り出されたのだ。

彼女が選んだのは、さらに森を奥に進み、妖精の棲み家を目指すことであった。

この選択が、彼女の運命を変えた。

傲慢だったフラヴィアは、妖精たちと暮らすうちに心に変化が訪れるのを感じる。

一年ほど経ったある日、彼女は倒れている男を拾った。それはかつての婚約者の弟、クラウスであった。

二人はやがて、ある茶番を演じることを決める。

※転生者や転移者がメインでは出てこないので語られませんが、別作品と同じ乙女ゲームの世界観となります。

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