【短編作】教室の嘘、桜の下の涙。 〜孤高のツンデレ美少女の心の声が俺の頭にだけ響いてくる〜

著者:斎藤ニコ

 新宮理(しんぐうさとる)には生来の特殊能力があった。
 それは新宮家の子に度々現れるものの一つで、理(さとる)の場合は『相手の心を読む』というものだった。
 能力は成人する頃には消えるのだという。よって理は能力に頼ることをせずに生きていくことを自分に課していた。

 クラスメイトの桜木有栖とは中学から浅からぬ縁がある。
 金髪碧眼で周囲から誤解をされる強気の性格。
 そんな有栖は常にいちゃもんをつけては理の肌に触れてこようとした。
 その度に心の叫びが聞こえてきた。それは発せられる言葉とは真逆の心の声だった。

「新宮、早くしなさいよね」
(きゃーっ、今日も新宮に触れちゃった! 充電完了ぉ……)

 有栖は周囲に一切ばらすことなく、理に恋心を抱いていた。
 中学時代に女子集団から攻撃されていた有栖を、理が大々的にかばったことが原因だった。
 しかし有栖本人は知らない。その全ての感情が本人に伝わっていることを。

※以前アップしたもののリメイクです。

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