才能無しと嗤われた男爵令嬢は魔王の腕の中で愛される

著者:と。

 レジーナ・ヴォルケは魔法が全ての国で生まれた男爵令嬢だった。両親はとても優秀な魔道士で貴族階級としては底辺であったが、様々な人から尊敬され国から何度も勲章を賜るような人たちだった。けれど、レジーナには魔法の才能がない。
 遅くにできた娘を両親は可愛がり多くの魔法を教えたが、レジーナはほんの些細な魔法しか使えなかった。両親に似て魔力量が豊富だった彼女が魔法を使えないのはおかしいと、両親もその友人たちも原因をさぐったが分からない。そんなある日、レジーナの両親はモンスター討伐を依頼され帰らぬ人となってしまう。
 レジーナは碌に魔法も使えない無能な娘と皆から蔑まれるようになった。両親の友人たちは守ってくれたが、それでどうにかなる問題ではなかった。そうやって鬱々とした毎日を送っていると、国王から直々に勅命を受けることとなる。魔王国と呼ばれる魔族の国、ヒンメル王国へ行けと。
 どんな場所であってもここよりはましだと飛び込んだヒンメル王国で、レジーナは思ってもみていなかった厚遇を受けた。魔王と恐れられたアラン・ヒンメル国王も何故か彼女に優しい。何か裏があるのだろうか、いや、かなり分かりやすいぞこの人。別に怖くも何ともない。あまりにも簡単に国の問題を解決してしまった上に、魔法まで使えるようになったレジーナは簡単だったが故に自覚に乏しい。段々とアランが気になってくるが、自分が相手にされるなどとは思ってもない。しかしアランは。

 自己肯定感が底い男爵令嬢と魔力が多すぎて怖がられる王様と絶対二人くっつけるマンな騎士のお話。

21/8/8日間異世界(恋愛)ランキング20位にお邪魔しました。皆様のおかげです。評価ありがとうございました!

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