ときめけばときめくほど霊力が強くなる聖女と、その聖女をときめかせるために聖女専用恋愛小説を書いている侍従の話

「ぶっひいいいいいいいいいいいいい! はァァァァァァンやっぱり神! この方は神! 尊い! 尊すぎてもう語彙力が追いつかなああああああああ!! ぶっひいいいいいいいいいいい!!」

私――聖女リプリー様の侍従を務めるアルフレッド・ヴァロンの仕事は、「恋のときめき」によって霊力が増すリプリー様をときめかせる恋愛小説をその御下に届けること。様々な恋愛小説を読んではブヒブヒと喜び、聖女の霊力をだだ漏れにするリプリー様。中でも彼女のお気に入りなのが、いま巷でベストセラーとなっている逆ハーレム系学園恋愛小説『琥珀のエルミタージュ』でありました。

実は――この『琥珀のエルミタージュ』の作者である仮面作家ミス・フォークスの正体は私――アルフレッドなのです。それは数々の恋愛小説を届け、聖女リプリー様の心のツボを知って知って知り抜いた私だけが書くことのできる、聖女専用の恋愛小説なのでありました。

次は一体どんな展開にしてやろう、どんな風にして聖女様を喜ばせてあげようか――そう夢想する私に、二十歳になろうとするリプリー様が間もなく引退し、貴族に降嫁するという話が聞こえてきて――。

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