ピアスの後日譚

著者:藤崎珠里

たまには何も連絡をせずに家に行ってみよう、と思い立ったのが悪かった。先輩のいない部屋に初めて合鍵を使って上がり込んで、私は一人膝を抱える。
……たまには、私の行動に驚いて、ちょっと嬉しそうに笑う先輩が見たいな、なんて柄でもないことを考えるんじゃなかった。そんなふうに悔いながら、私は先輩からもらったピアスに指先でふれる。
――先輩と付き合い始めたのは、私が高校一年生で、先輩が高校二年生のときだ。

少しの回想を交えた、とあるカップルのおうちデートとプロポーズの話。

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