政略結婚での婚約者、オスカーに想いを寄せるアリシア・アディンセル。だが彼は婚約した日から常に無表情で無口だった。
嫌いな自分と結婚するより、他の素敵な令嬢と結婚した方がオスカーはずっと幸せになれる。そう思ったアリシアは彼の幸せを願い、婚約破棄を告げる。オスカーはただ無言で頷いた。
だが次の日、なぜか2人の身体が入れ替わってしまう。
仕方なく仕事を欠席していたところ、オスカーの友人が見舞いにやってきてしまった。恐る恐る会いに行ったアリシアだったが。
「いやぁあのお前がだよ。普段は鉄の無表情無言のくせしてアディンセル嬢の話をする時だけすげぇ幸せそうな顔すんだよな」
「たまにふわりと笑った顔が年相応で可愛いとも言っていたな。俺としてもぜひ見たい」
え……?
お互いに想い合いながらも、勘違いからすれ違い続けた鈍感で不器用な2人が、幸せになるまでの物語。
レビュー