【完結保証】カナデ・ハイネンエルフ侯爵令嬢は、ペルニシカ第1皇子の婚約者だったが、貴族の重鎮たちが揃う会場で突如婚約破棄を言い渡され、シルビアという市井出身の聖女に身分や誇りのすべてを奪われる。しかも、その場で卑怯な決闘をけしかけられ、実力主義のブリュンヒルト大公国へ国家反逆の罪をなすりつけられ人質として祖国を追放されてしまう。
しかし昔から古代書に目を通し、また自身への鍛錬(ノブレス・オブ・レージ)を欠かさなかった彼女は、人質でありながらも大公殿下やその親友を助けて感嘆されたり、果ては性別問わず助言することで様々な問題を解決してゆくなどして、実力国家のブリュンヒルト大公国で<<知恵の聖女>>などとも言われ、特権待遇を得るなど、どんどん頭角を現していく。
一方で、人質に出したカナデに引き続き嫌がらせを続けようとするペルニシカ皇子たちだったが、逆に痛い目にあったり、また、実は彼女がいたおかげで政治や産業が成り立っていた母国だったため、ペルニシカ皇子をはじめ、聖女を自称していたシルビアも含め、国家が急速に衰退していき、大きな後悔をすることになっていく。
これは別に目立ちたくない、自分の実力と魅力に完全に無自覚な一人の女性が、残念ながら周囲の様々な男性(大公や公爵や執事、時折女性などなど)に溺愛されながら、周囲の者を時に助け、時に助けられながら、なんやかんや気づけば伝説の聖女になってしまう物語である。
※追放皇子たちが没落していくのはだいたい第10話あたりからです。
レビュー