どうも、勇者の父です。この度は愚息がご迷惑を掛けて、申し訳ありません。 〜幼馴染みの許嫁を捨て、そこらで好き放題やってる息子をぶん殴るために旅に出ます。今更謝ってももう遅い〜

著者:赤金武蔵

 ──村から勇者が生まれた──

 クロアの息子、アルカが十五歳の頃にそんな神託を受けた。
 神託のまま、クロアはアルカを勇者として王国騎士団に預けることに。
 アルカの世話係には、幼馴染みで許嫁のサーヤがついて行くことになった。

 それから僅か三年。ぼろぼろにやつれたサーヤだけが戻ってきた。

 話を聞くに。
 勇者としての権威をチラつかせて色んな女をつまみ食いし。
 不当な額の報酬を貰い。
 何かあっても謝罪はせず。
 正義の名のもとに好き勝手しているらしい。

 それにキレた、父クロア。

 謝ったところでもう遅い。
 愚息を殴りに行く旅が、今始まる。

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