最北領の怪物 ~借金地獄から始まる富国強兵~

 父親の戦死によって騎士爵家を継承したロドニーは、最北の辺境にある寂れたデデル領の統治者になった。
 しかし、騎士爵家には膨大な借金があった。利子を支払うだけで精一杯で、借金は雪だるま式に増えていた。

 父親が残した本を開いた瞬間、ロドニーは光に飲み込まれた。気づけば前世の記憶を思い出しているが、それは別の世界のものだった。前世の自分の名前も親兄弟の情報も思い出せないが、高度な文明の知識を得ることができた。

 借金苦のロドニーは産業を興して、ラビリンスに入って根源力という特殊な力を入手する。
 幸いにも母方の祖父が商人だったので、その協力を得て特産を売りさばくことができた。なんとか借金を返し、これまで低かった領兵の賃金を底上げし、装備を整えて領兵の強化に取り組んで富国強兵を実現していった。それがいつしか国王の耳に入り、『最北領の怪物』と言われるようになっていくのだった。

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