ミシェルの身売り話は、これで3度目だ。
1度目は父親に売られ、2度目は兄に買い戻された。今回は歳上の変態伯爵への身売り結婚。
大切な侍女すら失ったミシェルは、結婚まで3日と迫った日、ついに全てを捨てる決心をする。
こっそりと屋敷を抜け出し、王都の外れにある塔から飛び降りようとしたミシェルを引き止めたのは、美貌の公爵ラファエルだった。
「死ぬつもりなら、その命、私に預けてくれ」
ラファエルに言われたミシェルは、言われるがまま後をついて行く。
まさかこのときには、3日後、ラファエルと結婚式を挙げることになるなど、予想もしていなかった。
──貧乏神と呼ばれた不幸な伯爵令嬢ミシェルと、全てを持っているように見える公爵ラファエルの、優しい恋の物語。
※自殺・暴力表現がございます。苦手な方はご注意ください。
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