「レティの言ってたこと、当たってたみたい。ルイスに求婚されちゃったわ」
ある日の午後、レティーシア・ミルグリッドの親友、シエラ・フォン・バイオレットは、いつもと何ら変わらない笑顔でそう言ってのけた。
十年間、片思いし続けてきた相手がシエラに求婚したことを知ったレティーシアは深く傷つき、ルイスを忘れる決意をした。
「ルイスの好みに合わせたドレスはもういらないわ。」
新しいドレスを買いに出かけたレティーシアは、その道中、ある男の子に出会い、その子供が、レラント王国という隣国からの使者の一人であることに気づく。レティーシアはその子供を母親の元へ送り届けるが、レラント皇太子に目をつけられてしまい……。
そうとは知らぬまま参加した皇宮パーティーで何故か始まったレティーシアの断罪。絶望の縁に立たされたレティーシアを救ったのはレラント皇太子殿下。
親友、そして愛する人にまで裏切られたレティーシア。そんな彼女の才能を見つけ、そしてその美しさに心奪われたのは、隣国の王太子だった……。
愛を追い続け傷ついた伯爵令嬢と、そんな彼女に手を差し伸べた隣国の王太子の、恋愛物語。
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