廃棄姫はなぜか今日も忙しい

著者:屋津摩崎

この国の王女の顔には大きな傷跡がある。

王女メリルは幼い頃、不慮の事故によって顔に大きな傷を負ってしまった。それは誰のせいでもなく自分の不注意のせい。
鏡で自分の顔を見るたびに暗く沈んだ気持ちになり、涙が溢れ出てくる。
いつしかメリルは顔を隠し、誰かと接する事を拒むようになっていった。それが更なる憶測を呼んでありもしない噂話が広がっていった。
メリルの処遇に困った国王や王妃らは一つの決断を下す事となった。このまま王族として生きる事は困難だ、かと言って誰かと婚姻させるのも難しい、ならば身分を廃して隠遁生活を送らせるしかないと。
メリルは両親の決断に従い、廃棄姫となって王領にある奥の院で静かに暮らす事となった。
こうして王家の一族から王女メリルという名前は消え、ひっそりと王宮より旅立っていった。
そしてこれから奥の院にてメリルは静かで穏やかな日々を送ろうと思っていた矢先に・・・

これは心と体に深い傷を負った王女が新たなる一歩を踏み出し、自身を取り戻していく物語。

※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です
本サービスは株式会社ヒナプロジェクトが提供するものではありません

レビュー