姉弟で入れ替わって十一年、今日も私たちは元気です

著者:斯波

爵位と並んで武力が重要視されるガルドベーラでは、貴族男子の剣術大会参加が義務づけられている。
キャサリンは身体の弱い双子の弟・クアラの代わりにその大会に参加したのだが、意図せず最年少優勝記録を作ってしまう。一方、キャサリンとしてお茶会に参加したクアラも盛大に目立ってしまった。

男性陣の羨望と嫉妬の視線が集まるようになったキャサリンと、女性陣の嫉妬と信仰が集まるようになったクアラは、顔見せのお茶会だけではなく、デビュタントまでも姉弟で入れ替わった状態で参加した。

その夜会を機に、元々かなりの数が来ていたキャサリンへの婚姻・婚約の申し込みは倍以上に増えた。だが入れ替わったまま結婚する訳にはいかない。身体が弱いことや男性が苦手であることを理由になんとか断り続けてきた。

たまに弟である『クアラ』に姉を紹介してくれと言ってくる相手もいるが、そういう輩は「私より弱い男に姉を嫁がせる訳にはいかない」と言って力で制している。
格上相手で言いづらい時は兄に登場してもらって、となんとか逃げてきたのだが、ここに来て騎士団のトップ、アイゼン様までもがキャサリンを紹介してくれとやってきた。

頼りの兄は数日前に遠征に出たばかりでしばらくは帰ってこない。
事情を知る従兄弟と共にどうにか回避出来ないものかと頭を悩ませるキャサリンだが、クアラは「姉さんが会って決めるべきだと思う」と言い出しーー。

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