私をときめかせてくれたら、付き合ってあげる

著者:藤崎珠里

振られる気満々で、俺は高嶺の花――と呼ぶには少し性格にトゲの多い、同じクラスの時雨瑞姫さんに告白をした。
にこやかに微笑んで、彼女は言う。

「それじゃあ、私をときめかせてくれたら、付き合ってあげる」
「…………は?」

とりあえず頑張ってみたものの、俺は口説くのが絶望的に下手であった。なのに時雨さんは、放課後毎日、俺に口説くチャンスを与えてくれる。
なんで!? おもしれー男認定された!?

何か抱えたものがありそうな時雨さんとの、友達未満なのに友達のような関係は続いていく。
――そうしてやがて、人の隠しごとには絶対に踏み込みたくない俺にも、踏み込まざるを得なくなるときがやってくるのだった。

ときめきを知りたい女の子は、不器用で、めんどくさくて、かなりの意地っ張り。
口説くのが下手な男の子は、やっぱり不器用で、ちょっぴりめんどくさくて、すこーし意地っ張り。
そんな二人の恋と、友情のお話。

*この作品はカクヨム様にも投稿しております。

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