同じアパートに住んでいるクラスのお姫様と気がつけば両思いになってました

著者:かずロー

 四月の夜。
 父親の命日であるその日。青蘭(せいらん)高校一年生、柿谷良介(かきやりょうすけ)は一人で公園にいた。
 
「こんな時間にこんな寒いところで何をやっているんですか?柿谷くん」

 彼にそう声をかけたのは同じく青蘭高校に通う美少女ーー天野優奈(あまのゆうな)であった。

 整った顔立ちと優雅な雰囲気を持つ彼女をクラスの生徒たちは敬意を持って『姫』という異名を付けていた。

 そんな良介と優奈だが、実は同じアパートに暮らしている。高校に向かおうとすれば出くわし、スーパーで買い物をしていれば出くわしその度に、

「やっぱりストーカーじゃないですか」

 と疑いをかけられる日々。
 
 同じアパートに暮らす住人であり、それ以上でもそれ以下でも無い関係。

 だがある日、互いにお裾分けをするようになり二人の距離はほんの少しだけ縮まった。
 そしてさらにある日の出来事で、二人の距離はさらに近づいていく。

 その日を境に、弁当を作ってもらったり休日に互いの家でご飯を作りに行ったり遊んだり。優奈も滅多に見せることのない笑顔を見せ始め、良介もまた心を開いていく。やがて二人を隔てていた壁は溶けていき……

「優奈……」

「良くん……」

 そしていつしか、二人は名前で呼び合う仲までになった。

 出会いは最悪。そう思っていたのだが、気がつけば互いに惹かれあっていき恋に落ちた。

 面倒で死ぬほど可愛い彼女と、平凡で冴えないもやるときはやる男の甘いお話。

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