今更返されても困ります!返品は拒否の一択のみ。そもそも何故、私に助けを求めるのですか?面の皮の厚さに驚きを隠せません

著者:八橋 華

五年前に駆け落ちした婚約者が変わり果てた姿で帰っていた。恋人の女が言うには病で明日をしれぬ身だとか。
何故か元婚約者の令嬢に助けを求めた女。
男を返す覚悟でやって来たと思ったら、別れるつもりもない様子。
男も男で、女を別れるつもりもなく、元婚約者と結婚するつもりだ。
今更、何を言っているのか。
男を愛したのは過去のこと。
貴族令嬢が五年もの間独り身でいるはずもない。
そもそも婚約破棄している。にも拘わらず令嬢宅に居続けるつもりだろうか?実家の事を尋ねる様子もない男に令嬢は告げる、「私には新しい婚約者がおります」と。男は驚く。てっきり行き遅れになっているものと思っていたのだ。男は自分に捨てられた令嬢を憐れんでいたのだ。
だが、令嬢は現在、花の十六歳。美しさの盛りである。
婚約破棄した当時は十一歳の幼女であったことを、男は忘れたのだろうか?
彼らが駆け落ちしたのは男が十八歳、女が十七歳だった。
恋に狂った男女には、その後の起きた悲劇を知らない。

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