面倒くさがり皇子の最強暗躍ギルド計画

ラーヴァス帝国第三皇子、レヴィン・ラーヴァス。
皇子皇女、全員が剣術や魔術に長け、誰もが皇帝を目指している中。レヴィンだけは違った。

「皇帝なんて面倒くさいだけだろ……」

幼いころから面倒くさがり屋という性格を患ったレヴィンは、楽に生きることを人生の指針としていた。この国の皇帝は政治から外交、果ては戦争まで全てをこなす最強の皇帝。そんな面倒な国の奴隷にレヴィンが惹かれるはずもなかった。
剣術、魔術、知識……どれも誰よりも抜きんでた天才であるレヴィンは、大抵のことはちょっと触るだけで出来てしまう。
だが、それがバレると天才だと担ぎ上げられいろいろな面倒ごとに巻き込まれるのは想像に難くない。だったら、落ちこぼれを演じればいい。

そしてそんな面倒くさがり屋のレヴィンがこの先も楽して生きるために考え付いた策。それは。

優秀な配下を従えて、そいつらを束ねるギルドを作れば働かずして楽して生きていけるのでは?

こうして、レヴィンは表向き放蕩皇子の落ちこぼれを演じながら、その裏で優秀な部下を集めギルドを作っていく。
天才魔術師の卵や不当な扱いを受ける最強剣士、盗賊上がりの諜報員から海外を股に掛ける新興商会まで、さまざまなジャンルの才能を集めていく。
そしてそのギルドは、後にこの大陸を裏から牛耳る秘密ギルド【愚者の聖域】として勝手に暗躍していくことになる。

未来の面倒ごとを避けるために、今苦労しておく。
そんな先回りの人生を送り、なんやかんや人助けや面倒ごとに突っ込んでしまうレヴィンに、皆忠誠を誓っていく。
魔神の眷属である魔族との戦いや、冒険者としての戦闘、教育機関での規格外の活躍に、何故か巻き込まれる帝位争い――。

面倒くさがり屋の天才皇子は、果たして楽して生きることが出来るのだろうか。

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