君の席は私の隣

著者:律子

 公爵令嬢のフィリーアローゼは王太子殿下の婚約者を決める茶会の最中に前世の記憶を取り戻した。もしこれが何かの物語ならば私は絶対「悪役令嬢」に違いないと落ち込むが,娘を王妃にと熱望する母の手前,お茶会からは逃げられない。逃げ道をふさがれて茶会の席に赴けば,少々遅れた為に下座しか空いていない。同年代の令嬢たちからの嘲りの視線をやり過ごし,気の利かない王太子に呆れかえっていると,意外なところから救いの手が差し伸べられて――。
 非常識と無配慮にはきっちりと仕返しを施して,茶会を抜け出したフィリーアローゼはちゃっかりと初恋を実らせる。

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