空気ではいられなかった私

著者:ロゼ

この所ずっと体調が悪かった。

一日中体がだるく、咳も続き、頭も働かない。

だけど「具合が悪い」と言ってみた所で誰も私を気にかけない。

「我儘を言って気を引きたいのか?」

「あなたは姉なのだから少しくらい我慢が出来るでしょう?」

両親からの答えはそれだけ。

私は公爵家の長女『アイリス・ミラー』

私の上には兄がいて、下には妹がいる。

兄はヒューゴと言い、学問でも武術でもとても優秀で両親の誇りだ。

妹はリリアナと言い、儚げで可憐な容姿と生まれつき体が弱い事も相まって両親から溺愛されている。

真ん中の私はと言うと兄や妹ばかり優先される環境下で育ったせいなのか、両親から「我儘を言うな」と言われ続けたせいなのか親兄妹の顔色ばかり伺って生きるのが当たり前になっていた。

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