Happy End Maker

著者:water

「おめでとうございます。あなた達は無事にハッピーエンドに辿り着きましたわ。」

これがこの国に不幸をまき散らした諸悪の根源、あの女の最後の言葉だ。

あの女は自分の気に入らないものを権力と財力にものを言わせて苛め抜きボロボロにした後に排除した。
病気で動けない父親に成り代わり領の政を恣にし、自己の欲望を叶える道具にした。
その権力を笠に着て逆らえない使用人に対して玩具遊びをする様に暴力を振るった。
領民の税を不当に多く徴収し、国に収める分と徴収した分の差分を自分の懐に収めた。
馬車の前に平民の子供が飛び出してきた時には御者に轢くように命令をし、それに逆らった御者をむち打ちにした上でクビにした。
王子の婚約者であるにも関わらず、夜の街に繰り出し男遊びに耽った。
あの女の悪事を上げていけばキリがない。

だから俺達はあの女を断頭台に送った。

だがあの女は何故最後に俺達を祝福したのだろう。

時は流れ、その真相を追った時辿り着いた驚愕の事実。

断罪されるべきは本当にあの女だったのだろうか?

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