タワーオブチューン “人類で唯一人ダンジョンを攻略した男”

時は西暦20xx年、世界に突如として現れた謎の巨大建造物。通称“タワー”の発生から約10年の年月が経過しようとしていた。誰が、何の目的で、どのようにして……全く分からないまま世界は“タワー”の中に踏み込んだ。その中は既存の物理法則では解析不可能な“別世界”が拡がっていた。

 タワーが発見された当初は国家が統制した軍が独占して探査を行っていたが、そこで発見されたアイテム……ありとあらゆる病や傷を瞬時に治癒させる通称“エリクシル”、人類が未発見の元素で構成されたレアメタル通称“オリハルコン”、未知の生態系を持つ異形の“モンスター”等の情報が国家の統制から漏れた瞬間……全世界が熱狂し、あらゆる巨大企業がそれらを手に入れるべく各国政府に圧力をかけ、あらゆる思惑が絡み合った結果……タワーは“全人類の共通財産”として開放されるに至った。

 たった10年で爆発的に増えた『探検者(エクスプローラー)』という一攫千金を目論む夢追い人達ががタワーに殺到した。しかしこの10年間に各国が管理する“タワー”には誰一人その最奥に辿りついた者はいなかった。今日、その一人が現れる迄は……

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