完璧な地位、完璧な容姿、完璧な婚約者。
アリスティーノ・クアトラ公爵令嬢の人生は、全て順調に進んでいた。
彼女は完璧なまでの悪役令嬢であり、その地位を利用して学園内でも好き放題に振る舞っていた。
ある日、隣国から第四王女が学園にやってくる。妖精のように可憐で皆から愛される彼女が許せず、アリスティーノは愚かにも王女に手を出してしまう。
味方は誰一人おらず、婚約者であるユリアンからも見放され、アリスティーノは失意の中一人ひっそりと死んでいった。
筈だったのだが。
目が覚めるとそこは、自分の部屋。鏡に映る自分は、五歳の姿。
どうしてか人生を逆行したアリスティーノは、今度こそ真面目に生きあんな最後を遂げるまいと誓う。しかし成長すればするほど、以前と変わらない意地悪な自分へと近付いてしまう。
もう二度とあんな最後は嫌だと焦った彼女は、婚約者である国の第四王子・ユリアンに助けを求めた。
以前のユリアンはアリスティーノに冷たく、一度も笑いかけられたことなどなかったのだが。
「性格の悪い君も、僕にとっては可愛くてしかたないんだ」
事態は、彼女の望んでいなかった方向へと進みはじめてしまう。
いずれ現れる、彼を虜にする隣国の可憐な王女。その前になんとかして、ユリアンと距離を取ろうとするアリスティーノだったが…
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