目覚めたら五百年後だったんだけど、錬金術が廃れてました。再興目指して古巣でお仕事はじめます~ヴァイケン・オルドの錬金研究室~

 錬金術師。
 卑金属から黄金を生み出す者。現実変換者。
 物質と概念を曖昧に混ぜ合わせ、新たな未来を錬成する者。
 ……彼らがそう評されていたのは、もう五百年も前のことである。
 その技術を扱える人間の減少と、魔法時代の到来によって錬金術はすっかりすたれてしまっていた。
 いまや、錬金術師と言えば魔法薬やちょっとした魔法の道具を製作する職人を指す言葉であり、それすらも魔法や他の技術に取って代わられようとしている始末。
 そんな時代の折、崩れかけた古代遺跡の奥で一人の錬金術師が目を覚ます。

 ──ヴァイケン・オルド。

 およそ五百年前に活躍した錬金術師。
 目覚めた彼は思っていたよりも不完全な自身の状態に嘆きながらも、自らの理論と錬金術の集大成……【転生の揺籠】が正しく機能したことを喜ぶ。
 前世、病で余命いくばくかといった状態だった彼は一か八かの転生実験に自らを投じたのだ。

 変わり果てた研究室を出たヴァイケンは、「世界はそれほど変わっていないな」などという感慨を抱きながら、懐かしき古巣でもある『古都サルヴァン』に腰を据え、錬金術師として、そして冒険者として新たな時代での仕事をスタートさせる。
 やがて、彼の作る魔法薬や魔法道具(あるいは彼自身)は王立学術院や国王も耳にすることになるほどの噂となり、様々な依頼が舞い込むように。
 そして、その中で……ヴァイケンは五百年前に世界を崩壊の危機に陥れた、ある災害の片鱗と歴史の真実に触れることとなる。

 自重を持ち合わせない錬金術師と、おとぼけ人工妖精が五百年後の世界を救う錬金術無双ファンタジー、ここにスタート!

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